金工付花瓶雲海ニ龍

[1896(明治29)年頃- 1916(大正5)年]

初代宮川香山

長吉の研究家によれば、この龍の鋳金は「龍の髭や腕や手の作りのクセが鈴木長吉とほぼ一致していることから、鈴木長吉の作品の可能性が非常に高い」とのことであり、香山と長吉のコラボレーション作品の可能性が考えられる作品である。陶磁器と鋳金が融合した作品は非常に稀で、実に興味深い作品である。

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鈴木長吉(すずき・ちょうきち)
1848(嘉永元)年- 1919(大正8)年
明治を代表する彫金家で帝室技芸員に任命されている。1893(明治26)年シカゴ万国博覧会で出品するために製作した「十二の鷹」は長吉の代表作の一つ。
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