釉下彩

[1887年(明治20)頃 - 1916(大正5)]

初代宮川香山は、研究の成果としてさまざまな色彩の釉薬を開発することに成功する。
これに伴い、陶器から磁器中心の制作へとその作風を大きく転換していく。
特に高い評価を得たのが「釉下彩」といわれる技法を用いた作品で、描いた下絵に透明な釉薬を上がけし、高温で焼成することで下絵の色を発色させるというものである。
これにより絵が浮き上がらず、また絶妙な濃淡と奥行きのある落ち着いた表現が可能になった。
釉下彩で花鳥などを描いたものが、1887年(明治20)以降の眞葛焼の特徴的な作風となっていく。